東京圏の大回り乗車は東回りがおすすめ

 東京近郊区間内については、普通乗車券(きっぷ)を券売機で購入して乗車し、乗車経路が重複したり、途中下車をしない限り、実際に乗車する経路に関係なく、最も安くなる経路で計算した運賃で乗車するという特例があり、この特例を利用して、関東一円の旅を楽しむ方法について紹介した個人のブログは数多くあります。

 僕の場合、乗り鉄をすることで癒されることから、家庭の事情が許せば、月に1回は大回り乗車の旅を楽しむようにしています。どこか、自分の住んでいる場所から遠く離れた駅に降り立ち、街を歩くというのも楽しいのですが、夏の盛りや天気の悪い日などは、あまり外も出歩きたくない、ただ乗り鉄だけはしたいという時は、大回り乗車をしています。

 おすすめのコースは、横須賀線・総武快速線の駅を起点にまずは成田まで行き、そこで我孫子行きの成田線(成田線は成田駅で我孫子方面と佐原・銚子方面に分岐しているため、以降は便宜的に「我孫子線」と呼びます。)に乗り換え、我孫子駅で常磐線各駅停車に乗車して新松戸で下車し、武蔵野線で西国分寺まで行き、中央快速線で八王子に向かい、八王子で横浜線に乗って戻るというものです。

 横須賀線・総武快速線は朝のラッシュ時は座れませんが、日中の横須賀線は東海道線経由に比べ時間がかかるので混雑の度合いが低く、総武快速線も日中であれば基本的に座れます。途中の成田駅は待合室があり、我孫子線は日中も40分おきにあるので時間のロスは少なく、成田駅からはまず座れます。常磐線各駅停車には取手始発もありますが、我孫子からはまず座れますし、我孫子駅で有名な「弥生軒」の巨大な鳥唐揚げの乗ったそばを食べることもできます。新松戸からの武蔵野線も基本的に座れると思います。このルートのネックは西国分寺からで、この駅で中央線を待っていると、立川行きや青梅行きが意外と多く、八王子までの時間あたり本数が意外と少ないなと実感します。西国分寺は駅改札内が狭いので、ホームで待っているしかないです。八王子も改札内は狭いですが、横浜線が始発のため、ホームで待つことはあまりないと思います。

 ここまで紹介したルートは最も短いルートであり、時間の余裕があれば、我孫子から新松戸に向かわず、友部まで行って水戸線に乗り換え、小山で湘南新宿ラインに乗車し、都心方面に戻るというルートもおすすめです。水戸線は座席が向かい合いのクロスシート車両で、沿線はのどかで旅情あふれており、5両編成のためそんなに混まないからです。この場合、我孫子で友部行きが来るまで待ち時間があるので、とりあえず土浦行きに乗り、土浦駅の改札内待合室で時間調整することもできます。この待合室は水戸方面列車の到着する駅ホームに面しており、コンセントもあります。友部で水戸線の接続が悪い場合も、この土浦駅の待合室を使うのはありだと思います。

 また、別なルートとして、横浜線を橋本で下車し、相模線で茅ヶ崎まで行き、東海道線で戻ってくることもできます。橋本駅には駅構内に日高屋があり、大船駅は駅改札内が広く駅ナカショップも数多くあり、ベンチの数も多いので、時間調整するには最適だと思います。

 ちなみに、これらのルートを西回りで踏破するのはおすすめしません。横浜線は横浜から乗ると混んでますし、武蔵野線も西国分寺からの電車は混んでいますので座れません。このため、概して東回りがおすすめです。また、旅情という点では房総半島を海沿いのぐるりと回る内房線・外房線や、銚子方面の成田線から総武本線に乗り換えるというのも捨てがたいですが、先の区間が1時間に1本程度で、乗換の接続が悪い場合もあるからです。また、成田線と総武本線については、銚子まで行くと重複乗車になってしまうため、一駅手前の松岸駅で乗り換える必要があります。

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