JR中野駅の北口に、ブックファースト中野店という大型書店があります。1階が新刊や雑誌、文庫など幅広い品ぞろえとなっており、2階にはカフェがあるほか、ビジネス関係、理工系や文芸に関する書籍や雑誌が揃っており、いわゆる専門書のコーナーのようになっています。
僕は中野からは少し離れたところに住んでおり、長らくこの書店の存在を知らなかったのですが、一昨年、たまたま駅を降りて周辺を散策し、この書店を見つけ、入ってみました。これぐらいの規模の書店であれば、僕の家の近くにもあり、売り場面積を比べると、神保町の三省堂本店とか八重洲ブックセンター、日本橋の丸善とかの方が全然大きいのでしょうが、このレベルの大型書店となると、よほど時間がない限り、自分がセンサーをはたらかせていない分野の書籍や雑誌は、スルーしてしまうように思います。
その点、ブックファースト中野店は、2フロアしかありませんが、1階は地域の大型書店としての役割をしっかり果たしていて、2階でこの書店の色を出して「勝負」をかけている、僕はそのように感じます。2階で表紙を見せて陳列されている本や雑誌(これを平積みとか面陳、と呼ぶらしいですが)には、巷で話題になっている本も多く陳列されていますが、中には「こんな本や雑誌があるのか!」というものを、毎回、いくつか見かけます。それでネットで検索してみると、たしかに評判は良かったりして、なぜ今まで気づかなかったのだろうと、この書店に来るたびに、知らされます。そして衝動買いしてしまう。
僕は本を多く読むほうだと思いますが、通常はある程度、目星をつけて、十分に検討してから購入しますし、少し前に出た本で読みたいものがあれば、地元の図書館で借りるようにしています。ただ、そうして目星をつける本というのは、話題の本か、自分の関心分野に偏りがちです。このため、自分の関心分野はなるべく広げて、複数の書評サイトも参考にして、読書センサーの感度を高めるようにしていますが、それでも出会えない本は多い。ブックファースト中野店の2階フロアは、それを補うセンサーの役割を果たしています。最近はネット経由の購入が増えて、書店はどこも厳しく、小さな書店は次々と閉店し、大型書店も例外ではなく、閉店はしなくとも、売り場面積を縮小し、カフェにしたり、集客が見込める他業種をテナントに呼び込んだりということが増えているように思いますが、この2階フロアは、いつまでもこの強みを持って、生き残ってほしいものです。
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