新型感染症の長期化により、社会全体でテレワークの導入が一定程度進みましたが、そうした中で、「つながらない権利」ー労働者が就業時間外に仕事のメールや電話などへの対応を拒否できる権利ーが注目されるようになっています。この考え方自体は、10年以上前にフランスの学者が提唱していたようですが、日本では近年、労働力不足が顕在化し、過労死や労働生産性の低さについても問題視されるようになったことで、働き方改革関連法案が成立、これまでないがしろにされてきた労働者の権利が見直される中で、つながらない権利に関心が高まり、厚労省のテレワークガイドラインにも盛り込まれるようになりました。
ただ、自分の属する組織にとってみると、つながらない権利はおろか、働き方改革さえも、遠い国の出来事のように感じられます。確かに、働き方改革については、業務改善部門から各部門に対するはたらきかけが行われてはいますが、仕事の要求レベルは上がっており、一方で人手不足と急速な若返りによるスキル不足で要求を満たすため一人当たりの業務量は増えています。そのギャップを穴埋めすべき業務の効率化とかデジタル化は各部門任せなので、絵空事にしか感じられません。このギャップが大きくなりすぎると破綻するのでしょうが、改革の担い手なく空転し、徐々に追い詰められている感じです。ゆでガエルは日本社会全体に言えるのかもしれませんが、できればゆであがる前に脱したい、そう考えています。
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