長い時間そこに当たり前のようにあった人やモノがなくなると、大きな穴が開いたような気持ちになる。穴は暗闇であってそこに落ちるような恐怖も感じるし、寄り添っていたり、杖とも柱とも頼っていたりしたことで、普段の歩みさえもぎこちなくなってしまう。体の不具合がなくても、心理的にはそうさせる。失われたものを取り返すことはできないのだが、それは心ではわかっていても、埋めることはできないと絶望的な気持ちになってしまう。その状況を改善するのは何か、軽々に決められないし、見つけられないし、簡単にあてこんでよいものでもない。時間が必要である。
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