澱んだ空気を入れ替えるやっつけ仕事

 未来に奮い立つような目標を設定し、そこに向けて前向きに進むというのは簡単ではない。未来の自分を信じることは難しく、今の自分のやっていることが正しいと思うための材料は少ない。今日明日に何かやらなければならないことがあれば、そのことに注力するほうが気持ちは落ち着く。未来につながっていないなと思っても、とりあえず動いた気分になれる。

 こういうやっつけの行動、自分のすき間を埋めるための活動は、長い時間軸で捉えると自分を追い込んでいることになり、生産的ではないと言える。ただ、人生は一本道ではなく、閉じた世界で完結していない。良いこと悪いことが外部から飛び込んでくる。それは自分が関わりなくやり過ごせることもあれば、直撃して心身に大きな打撃を被ることもある。精神的に大きな打撃を受けた時に、目の前にやっつけだけど自分のミッションとして組織から与えられていたり、家族の役割分担の中でやらなければならないことがあれば、気がまぎれるということはある。閉じた空間では笑うことができなくても、そうした交わりの中では笑うこともできる。空気は澱むし、それは名残惜しい空間のものであっても、人の心を蝕むから、無理やり扉を開けてもらうことも大事だ。多少強引であっても、自分の力ではもはや扉は開けられなくなっているのだから。

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