それでも生き残りたい

 9月末に大きな悲劇に見舞われ、しばらくはそのことに心奪われ、時間を費やしてきた。泣きたい心はあるが、それは置いておき、あらためて不甲斐ない自分に嘆きつつも、それでも立ち上がって前に進まなければならない。一つ一つ、悲劇は乗り越えられないけれど、悲劇に直面してやれなければならない儀式を淡々とこなして、何か事態が落ち着いているように見せかけている。自分の自由というものは、少しずつ、はぎとられているような感じで、現状に満足していないけれど、現状の中でやりくりしなければならなくなっている。もちろん、努力はしているつもりだが、やはり先が見えない不安は、僕の心をそこまで強いものにさせないし、フラフラと楽に向かわせたりしてしまう。楽には出口はない、刹那的な快楽しかないのだ。ただ、目標があるので、立ち上がっては刹那的な快楽は短期間で切り離して、とにかく本線に舞い戻ろうとはしている。システムが確立されていないのは百も承知で、人生百年の中での貴重な一年を経過してこのざまは情けないが、一方で一年で変われるわけではないことも何度も教えられている。自分が今、目指しているブルーオーシャンは、おそらくそんな間違いではないだろう。技術的には凡百でも、混迷の中で幅広い現場を知っている人間は少ない。特に自分の年齢層においては技術レベルを頭一つ抜け出すのは容易で、というかそんなところに活路を見出す人間はほとんどいない。人事がそれほど甘くないことはわかっているし、希望が叶うことも簡単ではないが、一方で人事的に欲しているがいないという職域はあって、そこのエアポケットにうまくはまれば、自分の願いを叶えることができる。まず、そこからはじめてみよう。

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