DX人材を確保する方策

 優秀な理系人材を採用し育成する→一番の早道だが、これができる企業は若くしてやりがいのある経験を積むことができることや、十分な給与水準やポストなどの待遇、企業自身の持つブランド力が高いなど、ハイスペックな企業に限られる。特に行政分野については、理系人材の処遇が相対的に低いことや、世間一般でつぶしがきかないとみられている点からも、採用戦線においてかなり不利。採用できた理系人材は本業をまわすのに手一杯で、そこから上位の人材を引き抜くことは困難。同様の理由から、情報専門職の区分を設けることもあまり意味がない。

 文系人材からDX人材を育成する→行政分野についてはこちらが現実的。文系の方が、民間に比べ職域が広い、処遇面でも比較的恵まれているといった点に加え、数は少なくなっているとはいえ、民間にはない公共性を見出して給与水準は多少低くても行政分野を選択する学生もいるため、優秀な職員が採用しやすい。ただ、優秀な人材は少なく内部で奪い合いとなっているので、上位人材を引き抜くことは簡単ではない。組織として処遇の序列の上位に置くか、別なロールモデルを用意することが求められる。これまでの「電算」とか「情報化」、あるいは「システム」といった職場は、どちらかといえばマニアックな職域で、幹部は組織本流で固められて技術的なことはわかっておらず、実務レベルの職員の中にはいやいやながら結果的に長くいる、みたいな感じで、モチベーションが高いとはいえない。このへんは銀行とかと似たものがあるかもしれない。内部の処遇は難しく、ある程度、外部を巻き込んだロールモデルを築く必要がある。

 

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