保健所勤務の知り合いから、やはり今は感染症対応で厳しく、体調を崩す人も何人もいると聞きました。保健所は今やどこの自治体も大変で、他の部署からの応援や外部委託、急を要さない業務の先延ばしといった取り組みにより、保健師を中心とするコアメンバーの負担軽減は図っているのでしょうが、絶対量の増加に追いつかず、その対応に十分な武器弾薬もないという状態で、厳しい状況はそうは変わらないし、今後、どこまで走り続けなければならないかもわからない。住民からは叩かれるのが基本で、たまにマスコミが同情記事を出してくれるぐらい。デジタル化についても、データ収集・処理や情報共有においては力を発揮しているのでしょうが、肝心の感染者対応はマンパワーに頼らざるを得ず、そこに、現状をすぐに改善してくれるようなツールはない。評論や机上の空論、あまり効果的でない対応をポーズとして取ることはできても、特効薬がない、厳しい状況にあると感じます。僕も、少し調べてみましたが、どこかの保健所でこういうことをやって感染者対応がスムーズになり、業務も減りました、というような事例は、どこにも転がっていません。もしかすると、そうやってうまくいっても、紹介している暇がないのかもしれませんが。
ただ、こうなると、ヴィクトール・E・フランクルがナチス収容所時代のことを書いた本「夜と霧」のように、この出口の見えない状況において、そこで働き続ける個々人が、どのようにこの出来事を意味づけるかに、モチベーションはかかっている、これは組織としては情けないことですが、そのように考えることが現実的なように思います。ただ、組織として一つぐらい対応策があるとすれば、もともと余裕がない中、疲れても休みたいと言えない状況にあったりすると、倒れるまで働くということになり、貴重な戦力を失うことになるので、連続勤務の後の2日半の休暇を義務付ける、それはリアルな義務付けとする、休暇に入る前の半日間で、休暇中に必要なリラクゼーションやカウンセリングの指導を受けられるようにする、そんな対応が取れないものかと思います。
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