会話のキャッチボールができる人

昨日は高校時代の友人と4年ぶりに出会った。彼はある大企業の人事課長をしていて、非常に多忙であり、この先もおそらく、そうした忙しさは変わらないどころが、ますます忙しくなっていくのではと話をしていた。そして、同期であまり忙しくない部門にいる人がいるが、あまり給料も変わらず穏やかな日々を送っていて、うらやましいと思うとも話をしていた。僕自身も正直、そう思うことがあるので、大いに同感した。大きな組織になると、人材をフル稼働するということは難しく、忙しい部門にいると「自分は明かにコスパが悪いな」と思うことがある。一方でその見返りとして枢要な部門にあって、昇進においても優遇されているという面もあり、逆の立場からすると、同期から1年遅れるだけでも、気持ちのどこかに面白くないものがあるだろうと思うし、忙しくない部門というのは、人材配置の面でも劣後するため、同僚の仕事ぶりに不満を持ったり、その組織の上長であれば、部下が思った以上に動かないことで自分が何でもやらなければならないということもある。そこを通り越して、自分自身がそういう「組織において強みを持てない」人になってしまうと、周囲の目というのは厳しくなり、広い意味でリストラの対象になるかもしれない。まあ、年齢と経験に応じて職位と職責が上がるというのは、恵まれているといえるのではないか、僕らはそんな感じで会話のキャッチボールを続けた。

僕らの時代というのは、バブル崩壊後の世代で、多くの同期は望むところに就職することができなかっった。僕も彼も当初志望していたところではなかったが、それほど悪くないところに就職した。あれから四半世紀が経ち、高校卒業した後の分岐からますます離れていて、最近会っていない人で、就職をきちんとできなかった人については、近況を聞くのもはばかられるから、自然と疎遠になる。もし会って話をしても、大学卒業直後のような感じで、共通の話題をもって話すことは難しいだろう。そういう意味で、会話のキャッチボールができる彼は、僕にとっては貴重な存在であるし、僕自身、やはり今の立ち位置から新天地に飛び出すのではなく、今のところでいかにアピールして、自分のこの先の処を得る努力をしていくか、そこに当面は注力すべき、そのように気持ちを新たにした良い機縁となった。

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