令和に入ってからの、この国にふりかかった相次ぐ災害とか、感染症の日常化という状況は、宇宙人の襲来のような、完全に想定外の出来事ではないせよ、明日は今日の延長線上にあると考えても、そう大きく外れない日々を、多くの人々が過ごしていることを考えると、何らかのかたちで、そうした災害により被災し、感染拡大の影響を受けた人にとっては、まさか、という出来事であったと思います。
杞憂をいう言葉があるように、現状が平穏なのに、予見可能性の低いことを憂いて鬱々としている個人がいれば、そういう人は忌避されがちだと思いますが、組織や国レベルの話になると、いわゆる危機管理というのは空振りの多いことに備える姿でもあり、最近は大きく構える、空振りを恐れず、平時より万全の体制を取っておくほど、危機管理意識が高いと評価される傾向にあります。
とはいえ、個人においては持てる認知能力も財産も限りがありますので、多くの人にとって、普段から危機管理を怠りなくというのは難しく、できる範囲で備えておくという程度であり、災厄が襲ってくると、あらぬ方向からの襲来に、いったん倒れるというのは仕方ないように思います。
ただ、その時、受け身がうまく取れるか、そして、いち早く立ち上がれることができるかというのが、個人における危機管理の要で、危機管理能力というのは、レジリエンスを持っている人ということになると思います。
どうしても、今日の延長に明日があると思うと、さまざまな悩みを日々抱えている場合は、そうしたことに目を向けがちで、時間の隙間ができても、それを生かせず無為に過ごしている自分がいます。単に将来を憂いて嘆く、杞憂は不要ですが、常に何かに突き飛ばされることを想定し、精神的に受け身を取ってダメージを軽減し、自分なりに立ち上がれる物語を持つようにしたいと思います。
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